広島ハーネスの会 秋の交流会


【第13回広島県盲導犬使用者交流会】




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 ★毎年恒例の盲導犬使用者交流会。
 今年は、広島県福山市沼隈町にて開催された。
 初日の研修会では、身体障害者補助犬法が施行されて一年目となる今月、民間レベルでの受け入れ完全実施となった。今後の課題、現状の悩みなどについて、積極的な討論の場となりました。
 二日目は、秋風の中、晴天に恵まれての観光巡りなど、楽しいひとときを過ごしました。
 盲導犬12頭、ユーザー、ハーネスの会役員、ボランティアさんの総勢のべ、約30人の参加。(常連組み4名の不参加が惜しまれる。)

1.目的: 広島県の盲導犬使用者が一同に会し、親睦と情報交換するとともに、研修を深める。
2.期日: 2003年10月4日(土)〜5日(日)
3.場所: 広島県沼隈郡沼隈町及び、福山市


★ 10月4日(土)

 広島ハーネスの会交流会は、前回まで4回連続の雨天だったが、今回は二日間とも秋晴れに恵まれた。
 常連組み4名の参加がなかった性だろうか?
 いやいや、そうではないと思うが、ともあれ天気の良いことは素直にうれしい気分にしてくれる。

▲ 広島駅 11:48 岡山行き〜 13:20 松永着
▲ 松永駅からバスで、ベラビスタ境ガ浜へ

 午後2時半頃、宿泊所へ到着した。
 このリゾートホテルは、小高い丘の上にあり、ゆったりとした広いスペースの中、芝生に囲まれていて、非常に環境の良い所だ。
 玄関からロビーに入っても広さを実感できるので、のびのびとした気分に浸ることができた。

★ 宿泊所のリゾートホテル「ベラビスタ境ガ浜」について

 瀬戸内海を見下ろす眺望絶景な丘にあり、四国連山を遠望し、帆船の行き交う島影や輝く明け暮れの海など詩情豊かな景観を心ゆくまで楽しめる。
 ボート、ヨット等のマリンレジャー、魚釣りも楽しめる総合レジャーエリアの中にある。  
特徴:天然温泉・海辺の近くにある宿・リゾートホテル・眺望絶景の宿。
      敷地内には、夏期のみ利用できるプールがある。
      盲導犬同伴で宿泊できる。

★ 午後3時から研修会が始まった。

 盲導犬ユーザーが一同に会して、悩み事などの問題を話し合う機会は少ない。
 広島県内の盲導犬数は、約30数頭で、この内交流会に常時参加しているユーザーは、約40パーセントである。
 これを全国レベルで比較すると、全国の盲導犬数は、927頭数(平成15年3月現在)で、その内、全国レベルの交流会参加ユーザーは、約60頭前後である。
 交流会の参加割合は、約6パーセントとなる。 
 これから考えると、広島県内のユーザーは、積極的、自発的に交流会参加しているとも言えるだろう。
 しかし、もっともっと、交流会に参加して、パートナーとのスキルアップを自覚して欲しいと思うのは、私だけでしょうか?

 さて、この研修会で、盲導犬の抜け毛、排便、マナー、ハーネスの会MLなどについての意見が活発に論議された。

 今月、身体障害者補助犬法が施行されて丁度、一年目となる。
 新たに、民間施設レベルでも受け入れ完全実施となった。

 身体障害者補助犬法は、昨年の5月に参議院にて全会一致で可決され、同年10月より施工された。
 今月から、公共の機関や施設だけでなく民間の施設なども、受け入れが義務づけられた。
 この法律により、補助犬のアクセス権が保証されたとも言えるが、罰則規定が無いため、2年後の見直しに向けて、これからが正念場ともいえるだろう。

 この補助犬法の主旨を踏まえ、更なる盲導犬などのマナーや問題点の向上に視するため、活発な意見が交わされた。
 特に抜け毛の問題については、ユーザーに見えないため最大の悩みともいえるので、抜け毛対策の方法や、いろんなアイデアが出た。

 午後6時から夕食・懇親会が終って、8時半頃、盲導犬の排泄のため、ユーザーのほとんどが外の芝生や土のある場所に出向いた。

 真っ暗の中、ワイワイガヤガヤと声がする。
 ハーネスの会のIさんが、「奇麗な月が出ていますよ!その右横に小さいけど赤い色の火星も見えます。」と言ってました。
 弱視の私は、目が悪くなってから夜空の「お月さん」を見たことは無かったが「こっちの方向ですよ。」と言われ、見上げてみると、ぼんやりと輝いた月が見えたものの、火星は見えなかった。
 何年振りに見ただろうか?
 残存視力で、白く光る月をしばらく眺めていた。
 「きんもくせい」の爽やかな香りの中で、清々しい夜に浸っている私とパトリックだった。


★ 10月5日(日)

 午前、9時過ぎに 「ベラビスタ境ガ浜」 を後にし、バス観光である。
 バスから下車して、ボランティアさんに案内されながら、歩くこと約15分、最初の 観光地「阿伏兎観音」に到着した。

 階段を昇ると、祈願所の手前は、足元幅約1メートルで、その囲いの高さは、自分の腰程度の高さだったように思う。
 海に面した断崖に建てられているので、そこから眺める景色といえば、眼下に海を見下ろす、正に絶景といえる。
 反面、足を滑らせて落ちるのではないかという一瞬の恐怖を覚えた。
 でも、パトリックが、しっかりと寄り添っている安心感は非常に心強い。

★ 阿伏兎観音、について

 けわしい海食崖が続く沼隈半島の南端。
 阿伏兎岬は奇勝として知られ、岬の突端の断崖に建つ磐台寺観音堂は、阿伏兎観音と呼ばれ、昔から海上交通の人びとの信仰を多く集めてきた。
 観音堂は、寛和頃(986年)花山法皇がこのあたり一帯の海上を
往来する船の航海安全を祈願して岬の岩上に+-面観音石仏を安置して以来、今日まで千年余りも航海安全の祈願所として、また子授け観音、安産の守護として人びとの厚い信仰にささえられてきている。
 観音堂は、元亀年中(1570年)毛利輝元が再建、寛永寛文年間に福山城主水野・阿部公などの修補によって現在に至っている。
 浮世絵師歌川広重は六十余州名所図絵の中でその絶景な様を描いている。
 透明な海の輝きと荒々しい岩肌に、不思議に調和した朱塗りの観音堂は、瀬戸内海の中でも特に素晴らしい景観として広く知られている。


  昼前、次の観光地「みろくの里」に到着した。

★ みろくの里について

三世代テーマパーク。
昭和三十年代の有楽町のガード下、横丁を再現。
館内には居酒屋をはじめとした飲食店街や、日劇ステージなど。当時の雰囲気を体感できる。

「いつか来た道」
赤いポストの郵便局、懐かしい教室、下町を再現した昭和館を抜けると、駄菓子屋、民芸品の店などが立ち並ぶ
昭和三十年代の街並が連なる。
一周約一千メートルの懐かしさあふれるエリアとなっている。

 いつか来た道から思い出横丁へは遊歩道の手すり伝いにいろいろと楽しめた。
 民芸品の店では、お土産を買った。
 パトリックは、引っ張りが少し強く、少し息づかいが早くなった。喉が渇いているのだろう。途中、水を飲む適当な場所があったので、ビニール袋に水を注ぎ入れ、袋に鼻から先を突っ込んで、おいしそうに飲み干した。
 これで元気回復というところかな?

 私に付き添っていただいた学生ボランティアのHさんは、視覚障害者の理解を深めるため、これまでも何度か、このような交流会へ積極的に参加しているとのことだった。
 本人の家では、ワンちゃんを飼っているそうだ。盲導犬のことも興味があるようで、いろいろ質問をされ、盲導犬についてのエピソードなど話が弾んだ。

 夢中に成っているとき、時間が過ぎるのは早いものだ。
 午後3時前、JR松永駅にて解散し、6時頃、無事に帰宅することができた。
 今回も本当に有意義な時間を体験することができ、お天気も爽やかな秋晴れに恵まれて嬉しい気持ちで一杯であった。

 2003年のパトリックとの思い出づくり(盲導犬交流会)は、これでひとまず幕を閉じることとなった。パトちゃん、ありがとう!!

 パトリックとは3年目、いろんな経験を積んできた。
 本物の信頼関係になるまでは、まだまだこれからであると思う。
 そんな日が来るのは、いつになるだろうか?
 目指す真のユーザーに成れるのだろうか?
 現時点では、そんなユーザーには成れないだろう。

 しかし、明日を信じて努力するしかない。
 これからも長く曲がりくねった道が続くだろう。
 雨の日も風の日も、立ち止まることなく、パトリックとともに、新たな道を一歩一歩前進し、思い出づくりはこれからも続く。



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