広島県盲導犬使用者交流会


 【第12回広島県盲導犬使用者交流会】



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★毎年恒例の盲導犬使用者交流会。
今年は広島県比婆郡東城町にて開催し、介助犬使用者の方との交流や、リンゴ狩りなどが催され、秋のさわやかな空気の中で、和やかに語り合いながら、楽しいひとときを過ごしました。

1.目的
広島県の盲導犬使用者が一同に会し、親睦と情報交換するとともに、研修を深める。

2.期日
2002年10月26日(土)〜27日(日)

3.場所
広島県比婆郡東城町


★10月26日(土)

 今日は朝からの雨であった。
 広島ハーネスの会主催の交流会は、これで3回連続の雨天であった。
 私は「雨男」では無いと思っているのだが、参加者のうち、雨男、又は雨女がいるのかもしれない。
 最近、雨の日にパトリックと出かける際は、傘を持たずにフード(頭巾)付きの服を着用している。両手が塞がるのは何かと不便なのである。
 もちろん、パトリックにはレインコートを着せて出かけるのだ。
 これを着せると、しっぽブンブンで大喜びである。服を着るのがお好みのようだ。

 私は、余裕を持って、早めに出かけたので、広島駅前には午前11時前に着いた。
 広島ハーネスの会のKさんが手を引いて案内してくださった。
 どうやらユーザーの中では、一番先に着いたようであった。
 よく降りしきっていた雨は止んでいたようだ。

 出発時間は、午前11時20分。
 広島駅新幹線北口のバスのりば前である。

 その後、ユーザーさんと盲導犬が集まってきた。
 パトリックは、ユーザーとパートナーが来るたびごとに挨拶代わりに「しっぽブンブン」で、お迎えをしている。

 貸し切りバスの発車時間になったので、乗車しようとした時にハプニングが起きた!
 バスと乗り場の間は、50cm位あったようである。
 私は、乗り場の段差に足を滑らせ、バスのステップの角に「弁慶の泣き所」を強打してしまった。その反動でゴロンと仰向けになってしまったのである。
 なんか亀の子を裏返したような格好になった。

 これは尋常ではない痛さであったが、痛めた箇所は、向こうずねだけであった。
 ユーザーになって、こんな怪我をしたのは初めてだった。

 私は何事もなかったように直ぐさま立ち上がってバスに乗り込んだ。 
 その後、乗り込んだ人から、「大丈夫ですか?」と聴かれたが、「いえいえ、何ともないですよ」と言ったものの、バスが発車してから我慢していた。
 しかし、30分位、ズキズキと痛みが走った。
 幸い、膝間接を痛めたわけではなかったので、歩くのには全く支障はないと思った。
 恐る恐る痛めた箇所を触ってみると5cmの範囲で血が出ているようだった。

 バスの中は、ユーザーさんの会話で、ワイワイ、ガヤガヤと大賑わいである。
 目的地の東城町までは、約2時間かかる。なんか凄い田舎に向かっているのだなあと思いながら向こうずねの痛みに耐えていた。

 バスは、高速道に入って1時間経過していた。
 弱視の私は、窓の外に目をやっていた。
 ぼんやりとではあるが、外の景色といえば山と木々ばかりが目に映る。
 時折、田圃と藁葺きの家があるようだった。
                        (違うかな?)
 痛みのせいか、素直に他のユーザーさんとの会話に入っていけない自分がいた・・・。
 パトリックは私の痛みなど知る由もなく、座席の下で静かにおねんねしているようだった。

 やがて広島組の貸し切りバスは、目的地に到着。
 福山方面のユーザーさんのバスも付いていたようである。

 初日の研修会場には、準備万端で、待ちかねていた東城町のユーザーであるFさんの元気な声がする。
 そのFさんの司会で、 午後2時前、初日の研修会が始まった。
 今回の参加は、盲導犬12頭と、介助犬1頭。
 ユーザー・広島ハーネスの会の会員・ボランティアさんの総勢約30人である。
 このうち福岡協会出身のユーザー4組は全員参加である。

 最初に東城ハーネスの会の会長さん及び、全犬使会の会長、清水さんの挨拶の後、参加者全員が、一言づつ挨拶をした。
 その後、介助犬使用者、伊の木さんとの交流の時間となった。
 私は、アントニオ猪木のいのきと同じ名前かと思ったが、にんべんの「伊の木」さ
んである。

 伊の木さんのユーモアを交えての講演は、話を聞いていて時間のたつのも忘れるぐらい楽しいものであった。
 特にパートナーとの心温まる出来事には感動させられた。

* ここでちょっと横道に逸れます。

 私はこの日のために新しく手に入れたコンパクトなデジタル録音機で録音をした。
 自宅に帰ってから再び感激を振り返って2時間半の録音をゆっくりと再生して楽しもうと思っていたのであったが、帰宅後の二日目にバックアップの誤操作で全部消去してしまったのだ。
 弁慶の泣き所を怪我するし、記念写真を写そうと持参したデジカメの記録媒体であるFDを忘れてしまうし、おまけに、大切な録音をパーにしてしまい、踏んだり蹴ったりだった。
 録音していたものを聞き直して詳細に書くつもりだったのであるが・・・。
 うーん、残念!!
 この文章を書いているのは、ちょっと冷めかかった10日後である。
 思い出しながら書いているので、なかなか文が出てこない。おまけに文才が無いので、何度か今回は没にしようかとも思った。
 それでも、とりとめのない文章であるが、一応? 書くことにした。

 それから、パトリックの鼻で「クーン、クーン」と鳴く癖が、一ヶ月前から、また泣きのパトちゃんに戻っていたのだった。これで3回目のリバース? である。
 案の定、伊の木さんの講演中、何度も鼻で鳴いていた。
 私も弁慶の泣き所が痛んで、一緒に泣きたい所であった。

* それでは本題に戻って・・・。

 午後4時半、研修会が終わり、バスに乗車し、5時頃、「帝釈峡観光ホテル錦彩館」に到着した。
 午後6時から懇親会があり、おいしい料理に舌鼓を打った。
 ビンゴゲームなどで午後8時頃まで大いに賑わった。


★10月27日(日)

 午前10時、バスと徒歩で移動し、一面のモミジの中、2qあまり散策。
 私の付き添いをしていただいた方は、広島ハーネスの会のSさんである。
 昨晩と今朝、すね部分の応急手当をしてくださった。過去、交流会にはいつも参加されておられ、非常にお世話になっている。
 本当に頭が下がる思い兌。

 「サクッ、サクッ、サクッ」と、歩く足場は落ち葉のじゅうたんのようであった。
 30〜40分程度歩いただろうか?
 パトリックは、起伏の多い遊歩道をひたすら元気かつ無心に私を引っ張った。

11時より、「小奴可のりんご園」にてりんご狩りをした。
 高さ約2メートルのりんごの木。
 付き添いの人に案内していただき、手を伸ばして、りんごの実をくるりと回してもぎ取った。
 おうりん・ふじ・むつ・ジョナゴールド? など、約7種類のりんごが実を結んでいた。
 パトリックは、下に落ちていたりんごをうまそうに「しゃりしゃり」と食べていた。
 すぐさま、りんご以外の変なものを食べていないか口元を確かめた。
 「パト! ノー!!」
 私も、もぎたてのりんごをいただいた。甘酸っぱさと蜂蜜を塗ったような甘さに新鮮な味を覚えた。

 昼食は、ご当地の比婆牛でバーベキューである。
 久し振りに牛肉の味を堪能した。
 天気は、小雨が降ったと思ったら、日が射し、また小雨と寒い風がビュービューと・・・。
非常に肌寒い。
 牛肉をいただきながら缶ビールを飲み干したが、熱いお吸い物の方が良かったかな?
 食べおえた後、背筋がゾクゾクし、思わずブルブルと震え上がり、鳥肌が立った。
 同じ広島県なのだが、中国山地の山間部の山奥に来たというのを実感した。
 おおー! さぶー! ブルブル、ブルブル!

 しかし、吹かれる風は冷たかったが、なによりも新鮮な空気の中に包まれ、小鳥のさえずりが時折、耳を心地よく奏でる。
 本当に気分の良いことといったら、この上ない喜びを感じた。

 午後1時半頃、広島組の帰りの貸切バスに乗車した。
 2時過ぎに「道の駅(遊YOUさろん東城)」でショッピングした後、一行は、広島駅新幹線前のバスのりばに到着した。
 バスから降りて、風は全く冷たさを感じなかった。

 東城町は広島市よりも、本当に大変な温度差があったが、近づいていた寒波の影響で翌日から広島市内も同じような寒さに入った。

 2002年の盲導犬交流会の行事はこれで終わった。
 パトリックは、この旅について、どのような感想を持ったのだろうか?
 喋ってくれたらよいのに。そうもいかないか・・・。
 一度、頭の中を覗いてみたいもんだ。


 こうしてまた新たな旅の1ページが幕を閉じた。


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