盲導犬持つ前の川柳です


 【盲導犬持つ前の川柳】


挨拶を
返してみれば
人違い

人の顔が識別しにくくなってからの出来事です。
自分に声をかけられたと思って返事をしたら、人違いでした。


遠慮せず
座ってみれば
人の膝

バスに乗車して、座席が空いていると思いました。
やれやれと、座ろうとしたら、ドッキリの人のひざでした。


お辞儀して
目から火が出た
電柱か

横から、「おはようございます」と声がありました。
思わず、横を向いてお辞儀したらガッツンと電柱に頭突きしてしまいました。


改札で
切符渡すも
場所違い

JRの改札口で、切符を渡そうとしました。
そこは違う場所で、切符を捨てたような格好になってしまいました。


白い杖
はずかしながら
コツコツと

白杖を初めて使うのは、非常に抵抗がありました。
使ってみると、無我夢中でコツコツと歩いていましたが、これは神経が疲れます。


へそ曲がり
他人に聞かず
迷う道

私は元来、無類の方向音痴で、石頭により、道に迷っても他人に聞かないたちです。
目が悪くなっても、このへそ曲がりは変わっていません。


間違えて
青信号で
引き返す

横断歩道の信号が見えにくくなった頃の出来事です。青と思って渡りました。
「危ない!」と聞えたので、引き返しましたが、私とは関係なかったので、もう一度信号を待ちました。


夢を持て
くよくよするな
いつまでも

目の不自由さゆえに夢も希望もなくなって挫折を感じました。。
くよくよしていては始まりません。明るい未来に向かって前進あるのみです。


横道に
入って迷い
グルグルと

目的地に行く距離としては、近いところまで来ました。
住居表示板や看板の文字が確認できないので、同じ場所をグルグルと何回も周りました。


楽すれば
また苦しみが
待っている

目が悪くなってから、外出したい時他人に頼って便乗していました。
相手の都合が悪いと、ただ待っているのでは何もできない不安に襲われます。


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